2010年10月31日

プロフィール 1

今回からしばらくの間、トリトンの日常をご紹介し、その中でアイメイトに対する健康管理、基礎訓練、アイメイト歩行について詳しく私なりに書かせていただきたいと思います。
いつも文章ばかりのブログになっているので、なるべくトリトンの姿も載せて、その何とも言えない可愛さ、かっちょ良さも皆さんにお裾分けできればと考えています。
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今の時点では、どのように話を進めていこうかなあという極めてばくぜんとした状態なので、まとまりがなく、話があっちに飛んだりこっちに飛んだりすることは必至、その点をご容赦願います。
重複しますが、まずはトリトンのプロフィールからです。
名前は皆さんすでにご存じ、ブログタイトルにも使われている”トリトン”と申します。
トリトンの名前の由来は、ギリシャ神話に出てくる”海の神様”ということですが、残念なことに私が住んでいるここ埼玉県には海がありません。
なので、今は”海の神様”ではなく”私の神様”です。
男の子で、毛色はイエローのラブラドールレトリバーです。
ちなみに、ラブラドールは他にブラックとチョコの毛色があり前部で3種類です。
2006年の3月16日に誕生し、現在4歳半を過ぎたところです。
体重は22s〜23sで、季節や運動量によって若干の変動はありますが、なるべく太らないように気をつけています。
犬も人間と同様、太りすぎが思わぬ病気を招くこともあり、また、元々暑さには弱い動物なので、余計な脂肪がつきすぎると一層暑さを感じさせてしまうことになり、心臓にも負担をかけてしまうことになります。
ただでさえ一年中毛皮を着ている、しかも、ラブラドールの毛は二重構造でアンダーコートと呼ばれる皮毛を有しています。
また、人とは違い、犬は汗をかくことができず体温調節のほとんどは呼吸に頼っています。
このように、体重管理はアイメイトユーザーにとって非常に重要な健康管理の1つになってきます。
協会で初めてトリトンと出会い全身を触った時に感じたことが、ラブにしては結構小柄だなということでした。
一般的にラブラドールは30s前後、大きい犬になると40sを超すものもいると聞いていましたので、自分のいだいていたイメージとは少し異なっていました。
そして、アイメイトがなぜコンパクトなのかについてちゃんとした理由があることも初めて知りました。
アイメイトは電車やタクシーに乗ったり、公共の施設をユーザーと共に利用するため、周囲の迷惑にならないよう、ユーザーが犬をコントロールしやすいように繁殖の時点で調節されているそうです。
                              つづく
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2010年10月30日

爪切り 最終回

人も犬もすっきりしたところで、アイメイト協会に別れを告げ私達は帰路につくことにしました。
”行きは良い良い帰りは怖い”などという歌がありますが、私達も気を引き締めて無事に我が家に帰らなければなりません。
幸いにして電車を乗り過ごすこともなく、私達一行は無傷でそれぞれの我が家にたどり着くことができました。
たったの数時間でしたが、いろんなことがありました。
初めて降りる駅を歩いたり、パスモのチャージが切れていたり、訓練中のアイメイトとすれ違い邪魔をしちゃったり。でもでも、終わりよければ全て良しです。
ある意味、達成感のようなものを感じた私ですが、相棒のトリトンはどうでしょうね。
ただただ疲れちゃったかな?
頼りないおじさん2人の安全を第一に仕事をこなしたトリトン。確かに帰ってからご飯と水をたくさん飲んだあと手足を投げ出して気持ちよさそうに寝ていました。
「あ〜。つ、疲れたナあぁぁ!」
てな感じでしょうか。本当におつかれ様でした。
最後に、あとから考えてちょっと驚いたことを書かせてもらいます。
アイメイト協会に向かう電車、乗り越しちゃった例のやつです。
ドアを入ったすぐ横に伏せていた友人のアイメイトが何も命令していないのにいきなり立ち上がったんです。
もちろん、友人はもう一度伏せて待つように指示を出しました。
その時、私のトリトンはというと、はじめから立たせていたので何のリアクションも見せませんでした。
実は、○○が立ち上がった時に停車した駅、そこがまさに私達が降りるべき駅だったんです。
○○は、そこで降りることを知っていて立ち上がったのでしょうか?それとも偶然でしょうか?
未だに謎が解けない不思議な出来事です。
でも、人間には考えられない能力を秘めている犬、きっと、○○にはピンと来るものがあったのかもしれませんね。
アイメイトと生活していると、歩行はもちろんですが、それ以外でも素晴らしい能力を見せてくれることはたくさんありますし、何よりも心が癒される温かい存在として私達の生活に溶け込んでくれています。
これで”爪切り”は終わりです。
えらく長い日記になりました。最後まで読んでくださった方は手を挙げてください。
やっぱり…
でも私はめげません。次回から何を書こうかなと未来を見つめることにいたします。
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2010年10月29日

爪切り 10

このようにしてアイメイトの排泄処理もユーザー自身が行います。袋を通してですが手で”ツー”を触ることで、アイメイトのお腹の調子も知ることができますし、手を汚さずに処理することが可能となります。
この方法を考え出したのもアイメイト協会の創設者である塩屋賢一会長です。
ヒントになったのは味噌屋ということです。
手を汚さずに”ツー”を始末する方法に思案していた会長が、ある日、味噌を買いに行き、大きな入れ物から必要な分を袋に入れる作業を見て、これだ!と思ったそうです。
現在のアイメイト歩行の基本は会長自らが目隠しをして視覚障害者の立場に立って、当時の愛犬だったシェパードのアスターと試行錯誤を繰り返しながら産み出したものです。
そして1957年、国産第1号の盲導犬チャンピィの誕生以来、視覚障害者の自立のためにアイメイト一筋に努力された会長。私達アイメイト使用者にとって最も尊敬する大きな存在でした。
でしたと書きましたが、残念ながらその塩屋賢一会長は去る9月12日、肺炎と呼吸不全のために享年88歳でご逝去されました。
私が盲導犬について調べていた時に出会ったのが会長が執筆された1冊の本でした。
この本を読み終わった時に私の心は決まりました。絶対にアイメイト協会で訓練を受けると。
今、会長は空よりも高いところから私達がアイメイトと風を切って歩く姿を見て、きっと微笑んでいることでしょう。そうに違いありません。
本日は、その会長が執筆された本をご紹介させていただき失礼します。
【アイメイトと生きる 盲導犬を育てて五十年】
1957年、わが国初の盲導犬チャンピイが誕生した。文献も資料も何もない盲導犬育成に、文字どおり体当たりで取り組んだ著者と使用者・河相洌氏の共同作品である。以来、数多くの盲人たちが、他人の手を借りることなく、安全に自由に歩ける喜びを手にした。「自立を助けるのが本当の福祉だ」との信念のもと、数々の苦難にもめげず、860余頭の盲導犬を育成し、日本盲導犬史に金字塔のごとく輝く塩屋賢一の真摯で一途な80年の歩み。
ISBNコード:978-4-931178-43-4(4-931178-43-X)
出版社:出窓社
発行年月:2002年10月
                              つづく
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2010年10月28日

爪切り 9

そろそろお邪魔しましょうということで席を立ちトイレに行くことにしました。
まずは人のトイレ、私と友人が順番に用を済ませ、次にアイメイトのトイレです。
このアイメイトの排泄についても紹介しておかなければいけませんね。
食事中の方はあとで読んでいただければと思います。それほどの表現はないと思いますが念のため。
盲導犬に排泄を促すための命令コマンドというものがあります。
このコマンド、つまり合図のようなものは、盲導犬育成協会によってある程度の違いがあるそうです。
もちろんここでは出身協会であるアイメイト協会を例にとってお話しします。
まずアイメイトのリード(引き綱)を長い状態にし、「ワンツー、ワンツー」と言いながら使用者の周りをぐるぐる歩かせます。
この”ワンツー”が排泄してもいいよという合図で、”ワン”がおしっこ、”ツー”がうんちの意味です。
歩いているうちに、催してきたアイメイトは、その場で立ち止まり”ワン”あるいは”ツー”をおもむろに始めます。
大か小の見分け方は犬の腰の曲がり具合から判断します。
小よりも大の方が深く腰を落とすので、「おっ、ツーだな」と認識し、ユーザーは犬の尻尾の手前に左足を置きます。
お腹に力を入れて踏ん張っている様子もまた可愛い者で、排泄したことを大きく賞めてあげます。賞めるコマンドは”グッド”です。
ツー「、グッド!」
おしっこなら
「ワン、グッド!」ですね。
用を足したアイメイトはその場から離れるので、ユーザーの左側に座らせ待たせます。
左足の前方にホッカホカのツーが待ち構えていますから、ここからはユーザーの出番です。
予め用意しておいたビニール袋、その中に右手を突っ込んで袋の入口を左手でつまみぴーんと張った状態にします。
そのまま先程の左足前方にあるはずのツーを手探りで探索します。
はい、ありました、ありました。なんとかぐわしい香りでしょう!
袋に突っ込んである右手を駆使して1つ残らずツーを回収します。袋の先をつまんでいた左手を前、ツーをつかんだ右手を手前に、つまり袋を裏返してきちんと縛って、はいおしまい。
「ワンツー、グッド!」
おつかれ様でした。
                              つづく
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2010年10月27日

爪切り 8

ちょっと待っていると後方から
「ごめんなさい!」
という謝罪する友人の大きな声が聞えてきました。
私達に追いついた友人は
「いやあ、まいったよ、訓練中の犬に○○がちょっかいを出して邪魔をしちゃって」
と言うではありませんか。
きっと友人はすぐに状況が飲み込めず、相棒の様子をみていることしかできなかったのだと思います。
まあ、そのようなちょっとしたハプニングを経て私達は約束の10分遅れで協会にたどり着いたわけです。
よかった、よかった!
記事中、友人のアイメイトを○○と表現させてもらっていますが、実は、まだ友人にブログに載せていることの承諾をとっておりません。
無断で相棒の本名を掲載するわけにもいきませんから、後日了解を得た上で発表させていただきます。
トリトンよりも1年若い3歳半のイエローのラブラドールで元気な男の子です。がっちりした体格で、いかにもラブラドールといった感じです。
それに比べると、トリトンは比較的きゃしゃな体格で顔も細く、手足が長いラブです。よく女の子に間違えられるほど可愛い顔をしています。と思います。
トリトンの性格などについても後日ゆっくり紹介しようと思っています。
とにかくイケメンでかっこいい、しかも頭の回転が速い、何しろ仕事が大好き、ハーネスを持ってくると自分から頭を突っ込んでくる素晴らしいアイメイトです。
少し親ばかかもしれませんが、その辺はご容赦を。
協会で爪と歯の手入れをしてもらい、その日私達の世話をしてくれた職員と少し雑談をしました。
協会のドアを入った時から感じていましたが、その日はかなり多忙な様子。
週末に卒業するクラス、それに加えて今週から始まったばかりのクラスの訓練が行われていることを知りました。
1年に約50組のペアの誕生を目指しているというアイメイト協会。
スタッフ一丸となって私達視覚障害者の自立のためにがんばってくれていることを再認識した一時でした。
                              つづく
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2010年10月26日

爪切り 7

階段などの段差に対しては、犬が前足を上りの段差にかければハンドルの角度が変わるので、その角度からある程度の高さを予想することができますし、下りでも同じようなことが言えます。
人はそれに合わせてどれくらいの高さなのかを判断し足をあげたり下げたりして段差に対応をしています。
この時、きっと、トリトンは訓練中のことを思い出し、犬なりに初心にかえって超真面目に仕事をしていたのだと思います。
友人も私と同じ感想をいだいたようです。やはり、相棒の動きが違うと嬉しそうに語っていたことを記憶しています。
協会までは10分ほどで到着しますが、途中、3回の信号のある横断歩道を渡ります。
犬は色の区別ができないので、信号の変わり目は私達ユーザーが耳で判断しています。
十字路の交差点の場合、左右に車が流れていれば赤、前後の車の流れで青ということです。その車の音を頼りに渡れるかどうかをユーザーが決定し犬に指示を出して渡り始めるのです。
青であっても青になったばかりなのか、それとも、黄色になる寸前の青なのか、同じ青でも違う物です。
わかりにくい表現になってしまいましたが、私達は、必ず、信号の変わり目に横断するように心がけています。つまり、青になったばかり、前後の車が動き始めた音を合図に渡り始めます。
横断歩道は私達にとって電車のホームと同じくらい危険な場所です。万全の注意を払い、最も安全と思われる時にのみ動き出すことが事故防止につながると考えています。
協会に向かっていると前方から聞き慣れた言葉を発しながら歩いてくる女性がいました。
アイメイト協会で訓練を受けている真っ最中のクラスの人のようです。
きっと、その後ろから指導員がついてきているのでしょう。
トリトンはアイメイトの先輩として、その訓練中の犬の邪魔をすることなく上手にすれ違っていました。
「よしよし!偉いぞ!」
トリトンを賞めその場で立ち止まり、後ろからついてきている友人は大丈夫かなと耳
をすませてみましたが、こちらに向かってくる気配はありません。
もしかして…
                              つづく
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2010年10月25日

爪切り 6

友人に先に改札を出ているよう声をかけ、駅員がいそうなところを目指しました。
「どうしました?」
天から囁かれるような優しい女性の声。
思わず私は微笑み、実はパスモの…と打ち明けていました。
思った通り、女性は私を駅員がいるところまで誘導してくれました。
パスモのチャージをしてもらっている最中も私のそばに付き添ってくれています。
その優しい女性の横に3つくらいの可愛い子供がぴったり寄り添っていました。
「ワンワン、ワンワン!」
とトリトンを見てはしゃいでいます。女性は、その子に
「今はお仕事中だから触ったりしちゃだめよ」
言い聞かせるように語りかけています。
目出度くチャージを終えて友人が待つ場所まで誘導してもらい、そこで私は厚くお礼を言い女性と別れました。
このような微笑ましい何気ない出会い、トリトンが私のところに来てくれてから多く経験するようになりました。
さあ、これから先は訓練中にも何度も歩いた得意コース、気を引き締めて私達一行はアイメイト協会を目指して歩き始めたのです。
おやっ?なぜか不思議なことに、トリトンの歩き方が違います。悪い意味じゃなくて、良い意味での緊張感をもった感じの動きです。
そんなことがわかるのかとおっしゃる声が聞えてくるようですが、それがわかるんです。
前の記事の中にも出てきたハーネスという代物、これは犬の体に装着する胴輪です。
それから伸びるハンドルをユーザーが左手に持って犬と並行に立って歩きます。つまり、人が右で犬が左ということで、この位置関係は歩行中崩れることはありません。
細かな動きもハンドルを通して人の手に伝わるので、キョロキョロよそ見をしているだとか、下を向いて匂いを嗅いでいるだとか、先程記したように緊張感をもっているだとかを把握することができるのです。
ハンドルにはピアノ線が入っていると言うことで、細かな動きも伝わりやすいと聞いています。
                              つづく
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2010年10月24日

爪切り 5

私は耳をすませて周りの状況をうかがいました。その結果、どうやらホームがもう一つ向こう側に存在しているようです。
ということは階段を利用して橋を渡るように向こう側に行くのでしょう。
トリトンに階段を探すように指示を出しました。彼は少し周りを見たあとおもむろに歩き始めます。
私は友人達についてくるように声をかけて、トリトンの動きに合わせて歩き始めました。
少しするとトリトンが止まり、状態が少し高くなるのをハーネスのハンドルが私の左手に伝えてくれます。
これは、一段高くなっているところにトリトンが前足をのせて停止したということです。つまり、上り階段ですよとトリトンが教えてくれているのです。
ホッとした私はトリトンの頭を何度も撫でて賞めました。
私達は、トリトンの教えに素直に従い、上り始めました。
トリトンが再び停止しました。階段を上りきったことを知らせてくれているのです。賞めてあげます。
一般的にこのような駅の階段には途中に踊り場があります。少し進むと再び上り階段がありました。
「コ」の字を描くように歩いて向こう側のホームに降り立ちます。
なんとなく電車が停車しているような気配を感じた私はトリトンにドアを探すように指示を出してみました。ドアがなければトリトンはキョロキョロするだけですぐには行動を開始しません。
でも、その時のトリトンは即座に反応し、ちょっとだけ歩いてゆっくり停止しました。
とりあえず、私は右足を前に滑らせてみました。
「あった!ドアだ!」
急行の待ち合わせをしている各駅停車の電車が止まっていたのです。
よくやったとトリトンを褒めちぎり後ろからついてきている友人達に乗車するように声をかけ、2つ駅を戻って今度はちゃんと降りることができました。
この駅は訓練中に数回練習したこともあるので、無事に改札口を見つけることができました。
ところが、ここでもちょっとしたハプニング。
私のパスモの残高がないと自動改札に叱られてしまったのです。
                              つづく
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2010年10月23日

爪切り 4

今回から今までよりも少し短めの記事にします。
つづきを早く読みたいと感じる程度の長さに調整しないと、いい加減飽きられちゃうと心配しての私なりの考えです。
楽しみに待ってくれている人なんてぜーんぜんいないかもしれないけど。
まあ、そんなこと気にせず、つづきを書くことにしましょう。
車内は先程よりもちょっと込んでいるなと感じたので、私は後ろからついてきた友人に犬をドアを入ってすぐ横のスペースに伏せさせるよう言いました。この場所は、なかなかいいところで、ドアの近くだからすぐに降りることができる、周囲の迷惑にならない程度に犬がきっちりおさまるといった利点があります。ドアに尻尾や手足を挟まれないように内側にたたんでやり、ユーザーはドアと犬の間に位置するように立てばベストポジションです。
私とトリトンは友人達の傍に立ちアイメイト協会の最寄り駅を目指しました。
目指したといっても、電車が勝手に連れて行ってくれるので実に快適です。その快適さが2人の会話を盛り上げてしまったようです。
いつもなら車内アナウンスに耳を傾けている私でしたが、話しに夢中になり、その時はほとんど聞いておらず、今どの辺を走っているのかわからなくなってしまいました。
そして、再び注意を耳に傾けてみると、なんと、アイメイト協会がある駅を2つも乗り越してしまったではありませんか。
これは一大事、大変です。
完全に私のミスです。次の駅で私達は降りて、戻ることにしました。
が、その駅を利用したことは今までになく、どのような構造になっているのか全く知識はありません。
まず、電車を降りてから少し前に出て、後ろから友人とその相棒がついてきているかを確認しました。大丈夫、ちゃーんとついてきてくれています。
                              つづく
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2010年10月22日

爪切り 3

どこまで書いたでしょう?そうそう、電車に無事に乗り乗換駅に着くところまでですね。
電車からホーム上に降りる時もかなり神経をつかいます。ドアが開いてからトリトンに降りるように指示を出し、トリトンの動きに合わせて私も一緒にホーム上に降りるのですが、この時、少し大股で前方に足を踏み出すことが大切です。
駅によっては電車とホームの間隔が結構広いところがあります。軽く踏み出して、その間に自分の足を落とし込み、思わぬ事故に繋がる可能性があるからです。
そうなればトリトンにも怪我をさせてしまう恐れもあり、何より、トリトンが電車から降りることへの恐怖を覚えてしまうことです。
幸いにして今までそのようなことはありませんでしたが、今後ないとは限りません。電車を利用する時は、いつでもそのことに注意を払う必要があります。
友人とそのアイメイトも無事に降りて私達の横に並び立ち止まりました。
乗り換えの電車は同じホーム上の向かい側になります。
私達はその電車が入る側までの5メートルほどを気をつけて歩き、黄色い線を足で確認したところで止まり、電車の入線を待ちました。
黄色い線と書いていますが、これは、点字ブロックといわれるもので、視覚障害者の歩行の誘導的存在です。
昔はこの黄色い線の代わりが白線でその線から前に出たら危険ですよという印でした。
となると、現在ホームに敷かれている点字ブロックだって、それよりも外側に出れば危険なはず。
いつも私は不思議に感じるのですが、なぜ視覚障害者に対してそのような危険地帯を歩かせるのでしょう?
しかも、点字ブロックは真っ直ぐ伸びていたかと思うといきなり90度の角度で曲がったり、なくなってしまったりします。私はそんなに運動神経が悪いとは思いませんが、いきなり90度方向を変えるということは至難の技です。
ホームドアの設置が全国的に勧められてきていますが、素人が考えてもかなりのお金がかかるのは想像できますし、すべての駅がそうなるとも思えません。
もちろん、私達自身が気をつけて歩けばいいのでしょうが、いつも完璧に歩けるとも限りません。自分の体調や周囲の状況から方向感覚を見失い、内側だと思っていた黄色い線(点字ブロック)が外側だったりすることもあります。
犬は高いところが苦手ですから、わざわざそんな危険なところに進んで行くことはありませんが、白杖と呼ばれる白い杖を頼りに歩いている全盲の方にはかなり危険な場所になります。
実際、ホームから転落し、怪我をした人は数え切れないほどいますし、運悪く電車が進入してきて命を落とした人もいます。
そんなわけで、私達見えない者にとってホームは想像以上に神経をすり減らす恐怖スポットと皆さんに認識していただければ幸いです。
ホーム上で迷っているような視覚障害者の方を見かけた時には、一声かけていただければ助かります。
万が一ホームから転落しそうになった場面を目撃したら、大きな声で
「ストップ!」
と叫んでいただけると思わぬ事故を未然に防ぐことにつながり、誠にありがたいことです。
皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
またいつものように横道にそれましたね。申し訳ございません。
今回はほとんど話が前に進んでいません。
私も進歩のない男ですが、その男が書く文章まで進歩がないとは、一体全体どうなっているのでしょうね。
とりあえず、1度目と同じように無事に車内に乗り込むことができたことを記して今回は終わりにさせてもらいます。
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2010年10月21日

爪切り 2

さて、お待たせしました。おっと、誰も待ってないか…
まあ、そんなことは横に置いておくとして、前回の続きを思い出しながらかせてもらうことにします。何しろ、この年になると、ちょっと前野こともすっぽりと抜け落ちてしまい、なかなか思い出すことができず自分が情けなくなることが間々あるものですから。
アイメイト協会での爪切りについてはすでに書いてありますから、ここでは行き帰りの私達について書き始めることにします。
その日は私の家で友人と待ち合わせ、そこから2人と2頭で行くことになっていました。
約束の時間通りに私の家に到着した友人、相棒のアイメイトも相変わらず元気です。
同じアイメイトでも犬によって性格や体格はそれぞれで、これは人も犬も一緒です。特に、ラブラドールという犬種は、とにかく人が大好き、可愛がってくれる人には尻尾を大きく振って喜びを表してくれます。
私の相棒のトリトンもアイメイトにしてはかなりやんちゃな子だと思っていましたが、友人の相棒はそれを上回るほどの元気いっぱいの可愛い犬です。
さあ、出発です。とりあえず1年先輩の私、この日は、私とトリトンが前を歩き、友人達がすぐ後からついてくるという歩行スタイルをとることにしました。
ちゃんとついてきているかどうか、後ろにも耳をそばだてて、1つの固まりが崩れないように気を配っての歩行です。
もちろん、周囲の音も聞き逃さないようにして、前や後ろから車が来ていれば、アイメイトに左に寄るように指示を出すことも忘れてはいけません。
トリトンがスピードをゆるめる時は、前から何かが接近しているのか、それとも、道に車やバイクなどが止まっていて道が細くなっているからなのか、若しくはトリトンがただスピードを落としただけなのか、そういったことも瞬時に判断しながら少しずつ目的地に近づいていきます。
アイメイトは曲がり角にくると立ち止まります。立ち止まったアイメイトを賞めて次に進む方向をユーザーが指示します。
前後左右の方向を声と手振りで犬に伝えます。
即座に命令に反応したならば賞めてあげます。
曲がり角で立ち止まらなかったり、命令とは違う方向に歩き出したなら叱ってやり直しさせます。
それが上手にできたら、叱った時以上に心をこめて賞めてあげます。
アイメイトとの歩き方については、日を改めて何回かに分けて詳しく書かせていただきますが、ちゃんとできた時には賞める、できなかった時は叱るの繰り返しで、最終的にはたくさん賞めてあげることが大切です。犬は気持を込めて賞めてあげると実に喜びます。それは尻尾の振り方だったり、息づかいであったり、体全体の動きだったり、見えない私達にも容易に判断することは可能です。
無事に最寄りの駅に着いた私達は電車に乗るために改札口を抜けてホームに降り、電車が来るまでベンチに腰掛けて待っていました。
簡単に書きましたが、この一連の流れの中にはたくさんの犬と人との共同作業が含まれています。
階段の乗降、上りと下りでは歩き方も違います。
改札口の切符投入口に鼻を向けてアイメイトは教えます。
ホームでは黄色い線の内側を歩き、ホームから線路に転落しないように気をつけます。
ホームに置かれている障害物を上手によけて空いているベンチに顎をのせて教えてくれます。
私達が乗る電車がホームに入ってきました。座っていた
ベンチの足下に伏せていたアイメイトを促し立ち上がります。
黄色い線まで行くように指示を出します。それにこたえるようにトリトンはそこで止まりました。もちろん賞めてあげます。
友人達の存在を確認し一緒に開いたドアから無事に乗り込むことに成功しました。
ドアの前ではちゃんとアイメイトは止まります。ユーザーは足でホームと電車のドアを確認し車内に乗り込みます。
車内の混み具合などを耳と雰囲気でなんとなく確認し、空いていそうだなと感じたら先程と同じようにユーザーは空席を探せと指示を出します。
平日の午後ということで幸い電車は空いていました。
私と友人は並んで腰掛け、足下にアイメイト達を伏せさせ、尻尾や手足をなるべく手前におさめて周囲の邪魔にならないようにします。
こうして私達は一息つき、乗換駅まで他愛ない話をしながら楽しい時間を過ごしました。
つづきはまた次回に持ち越しさせていただきます。
やたら長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
今後もこのように、いきなり横道にそれたり、だらだらと書いてしまいますが、これは私の悪癖と軽く受け流していただければと思います。
posted by ドスコイノブ at 16:10| Comment(2) | TrackBack(0) | トリトンとの日々

2010年10月20日

爪切り 1

今回は、いきなり昨日の出来事を書かせていただきます。早く言ってしまえば日記のようなものです。
私とトリトンが卒業したアイメイト協会に爪を切ってもらいに行きました。あっ、私の爪ではなくてトリトンのです。
歯の状態もチェックしてもらい、歯石が貯まっていれば取ってもらえます。が、トリトンは毎日歯磨きをしているおかげで、歯石は大丈夫でした。
卒業してから2年半、昨日のように爪切りに行ったのは3回目、、それ以外は、私の奥さんに頼んだり、近所の動物病院で切ってもらったりしていました。
でも、やはりアイメイト協会の爪切りはプロの技で、かなり短く、切ったあともやすりでけずり、滑らかな仕上がりです。
「うーん、さすがぁっ!」と思わず叫びたくなるほどです。
犬の爪の中には神経や血管が走っていて、でも、外側からはなかなか見えにくく、技術を要する大変な作業です。あまり深く切りすぎれば犬に痛い思いをさせますし、血も出てしまって実に可愛そうです。
アイメイトはユーザーと色々なところに出かけますから、爪を挟んだりしないように、いつも短めにしておくのが一般的です。
例えば、エスカレーターなどの乗降で爪が伸びていることが原因で挟んでしまうことが以前にあったとも聞いていますから、そのような事故を未然に防ぐためにも爪切りは重要な手入れの1つになるのです。
普段、トリトンの世話はユーザーである私がほとんどすべてのことを行いますが、爪切りだけは視力がないとできないことなので、このように他の人の手を借りることになります。
そんな私達のために協会は連絡を入れておけばいつでも快く爪切りをやってくれるのです。
卒業してからもこちらからの申し出に嫌な顔1つせず、色々な悩みなどにも対応してくれています。
爪切りに限らず、実際の歩行に関する問題などにもフォローアップという形でそれぞれの自宅まで駆けつけ、元の良い状態に修正する手助けをしてくれます。
特に盲導犬と歩くことが初めての私のようなユーザーは、卒業後、人も犬も環境に慣れないため、色々な問題に遭遇し、それと同じ分の悩みをかかえてしまうことになります。
私も協会を卒業してからの3ヶ月間はずいぶんと悩んだものです。でも、このようにフォローアップを受けたことでその後の快適な歩行を手に入れることができたのだと実感しています。
おっと、話がずいぶんと横にそれてしまいましたね。上に書いたようなことは、また機会を見つけて詳しくお話しさせていただくことにして、本題の日記へ方向を戻します。
でもでも、ちょっと長くなってしまったので、続きは次回にさせていただきますね。
実を言いますと、昨日は近所に住む同じアイメイトユーザーの友人と2人と2頭で行きました。
この友人は、私よりも1年ほど遅れてアイメイト協会を卒業した男性で、散歩の途中に遭遇したり、予め予定を決めて一緒に出かけたり、楽しくお付き合いさせてもらっています。
これから先、私とトリトンだけでなく、その友人と相棒のアイメイトについてもお話しさせていただく機会もあると思いますのでお楽しみに!
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2010年10月19日

アイメイトって?

toriton 01.JPGtoriton 02.JPGこんにちは。まだまだブログに慣れていない未熟者のドスコイノブです。
あっ、ドスコイノブとは私のニックネームです。以後お見知りおきの程よろしくお願いします。
「トリトンと歩む道」などとタイトルをつけておきながら、肝心のトリトンを皆さんにご覧いただいていませんね。
これは、とりもなおさず、私のブログに関する知識の無さから来るもので、画像のアップ方法など細かな操作ができていないということ。
でも、これではトリトンがどれだけイケメンなラブラドールか知っていただけない。
そこで、本日はがんばることにしました。上手に写真を公開できたら嬉しいのですが。
前にも書かせてもらいましたが、トリトンは2006年3月16日生まれの男の子、現在4歳半で、人間の年になおすと、うーん、33歳から35歳といったところでしょうか。アイメイトとして油がのってくるころですね。
そうそう、なぜ私が盲導犬のトリトンをアイメイトと言っているかを少しお話しさせていただこうと思います。
私も盲導犬と歩くことを決意してからはじめて得た知識なのですが、我が国には盲導犬を育成、その後の視覚障害者への歩行指導をする団体が現在9つもあるのです。
それからの私はネットや本を片っ端から読みあさり、それら団体の大まかな知識を得て、自分がどこで訓練をするかを決めることから始めました。
そして、迷わず「ここだ、ここしかない!」と決めたところが「アイメイト協会」です。
我が国で最も歴史と実績があり、創立以来すでに現在1130組の人と犬のカップルを産み出したところです。
数が多いからと言って、盲導犬としての質が低いなどということはなく、ここまで犬に能力が備わっているのかと驚かされるほど素晴らしい仕事をしてくれます。
もう一つ、私が共感したことが、盲導犬は盲人を導く犬ではなく、人が犬をコントロールし仕事をさせる、つまり、人が主役で犬は名脇役と位置づけているところでした。
「アイは I 私」「アイは EYE 目」「アイは 愛 LOVE」「アイメイトは私の愛する目の仲間」
であり、この協会出身の盲導犬をアイメイトと呼んでいるのです。
私の選択が間違っていなかったことは、現在のトリトンとの充実した毎日が物語っているでしょう。
ごめんなさい、少し熱く語ってしまいました。
盲導犬について、その歴史や団体など詳しくおしりになりたい方は以下のフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
盲導犬 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B2%E5%B0%8E%E7%8A%AC
を参照してください。
また、アイメイト協会について詳しくおしりになりたい方は以下の
アイメイト協会|盲導犬の育成、視覚障害者と盲導犬の歩行指導を通して自立支援
http://www.eyemate.org/
を参照していただければ幸いです。
長くなりましたので本日はこの辺で失礼します。
何か質問がありましたらコメント欄に記入していただければ、できる限りお返事させていただきます。
ただ、私は実に気の弱い貧弱なおじさんですから、過激な内容のコメントは勘弁してくださいね。読んでいる最中に倒れてしまい、愛するトリトンに迷惑をかけてしまいますから。
posted by ドスコイノブ at 22:08| Comment(4) | TrackBack(0) | トリトンとの日々

2010年10月18日

泣けるお話し

こんにちは。
2回目の投稿になります。はっきり言って何をどう書き出せばよいのか見当がつかずにキーボードに向かっています。
毎朝日課として決まった掲示板を閲覧することにしています。
視覚がない私がどのようにパソコンを操作し、画面に流れる文字を認識することができるのか、不思議に思う方のために少しだけ説明させてもらいます。
使用しているパソコンは一般に市販されているもの、スクリーンリーダーと呼ばれる専用の音声ソフトをインストールすることで、ある程度の文字情報は読み上げてくれます。
キーボードへの打ち込みはホームポジションに指を置いてそれぞれのキーをまさしくブラインドタイプするわけです。
メール、文書作成、ネットの閲覧、ネットショッピングなど、ほとんどのことをパソコンから楽しむことができます。
視覚障害者にとって最も困難とされる情報の取得が容易に行えるようになったこの時代にいることができて私は幸せ者なのかもしれません。
前置きがかなり長くなりました。
今日は、そんな掲示板の1つの中から皆さんに読んでいただきたい記事を発見しましたので紹介させていただきます。
犬をペットとして飼っている方も多いと思います。しかも、この記事は私の相棒トリトンと同じラブラドールのお話し。これを読んで正直泣きました。
人と犬の深い絆のようなものを改めて実感させられた本日の私です。
それでは、ごゆっくりどうぞ!
http://vacationland.dtiblog.com/blog-entry-88.html
posted by ドスコイノブ at 17:30| Comment(0) | TrackBack(0) | トリトンとの日々

2010年10月17日

はじめまして!

はじめまして!
皆さん、こんにちは!
はじめてのブログに挑戦してみました。これから先、皆さんと楽しい時間を共有していけたらと願っています。
私は2008年5月からアイメイト(盲導犬)のトリトンと生活を始めました。
トリトンは2006年3月16日生まれのラブラドール、イエローの男の子です。そして私は9年前に視覚のすべてを失った現在51歳のおじさんです。
トリトンを家に迎え入れるまでは白杖とよばれる白い杖を頼りに歩いていました。
元々方向感覚の悪かった私ですから、白杖を用いての歩行は緊張の連続で、おでこや頭をあちらこちらにぶつけては、生傷の絶えない日々を過ごし、1人で歩くことを避けるようになってしまいました。
そんな私の日々を救ってくれたのがトリトンです。
今では毎日トリトンと外出し、様々な場所に出かけています。
アイメイト(盲導犬)と歩くということがどのようなことなのか、少しずつ皆さんに知っていただけるよう努力していきたいと思いますので、これから末永くよろしくお願いいたします。
posted by ドスコイノブ at 16:47| Comment(4) | TrackBack(0) | トリトンとの日々