2010年11月30日

コーナー 前編

玄関を出て左にスタートしたところから話が動いていませんね。
はいはい、大丈夫です、私とトリトンも動いていませんから。今回は少しだけ移動してみることにしましょう。
県道を走る車の音を右に聞きながら歩き出します。
1分ほどでトリトンがスピードを緩めて止まります。私もその動きに合わせて停止し、右足を前後に滑らせます。靴を通して段差を感じました。歩道と車道の境目です。
この段差や曲がり角を”コーナー”と呼んでいます。
そのコーナーを右足でトントンと軽く叩き、
「コーナー グッド」で段差でちゃんと停止したことを賞めてあげます。
左から車が来ていないかどうかを耳で確認し、向こう側の歩道に上がるために前方に進みます。
真っ直ぐわたりたいので
「ストレート」と指示を出します。
その指示通りに歩き出したトリトンに
「ストレート グッド」で賞めてあげます。
3メートルほど歩いたところで再びトリトンが停止します。
歩道上に上がるための段差がありました。
「コーナー グッド」で賞めます。
「ゴー」で前進させます。前進を始めたトリトンに対し
「ゴー グッド」で賞めます。
このように、段差や曲がり角では必ずアイメイトは一時停止して次の指示を待つことになります。
それ以外にも電車のホーム上に敷かれた黄色い線(点字ブロック)なども”コーナー”と呼んでいます。
いくつものコーナーをクリアしながら目的地に少しずつ近づいていくことになり、トリトンと歩き始めてから2年半、一体どれだけのコーナーを二人で踏みしめたことでしょうか。
失敗を繰り返した結果、やっとのこと二人で見つけた思い出に残る”コーナー”も数え切れないほどで、今でもその”コーナー”を足で確認する度にその時のことを鮮明に思い出すことができます。
一般的には右足で!コーナー”を叩いて賞めてあげますが、本当に嬉しい時、私は思わずしゃがみ込み、足ではなく手のひらで”コーナー”を何度も何度も叩いてトリトンを賞めていました。
慣れた道では右足がその”コーナー”の感覚を記憶し、現在自分がどの当りにいるのかを確実に把握できるようになってきます。
アイメイト歩行にとっての”コーナー”は限りない新たな挑戦への大切な道しるべなのです。
                              つづく
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2010年11月29日

歩行スタイル

toriton 39.jpgtoriton 40.jpgハーネスのハンドルは、左の手背、いわゆる手の甲を前方に向け、玉子を持つように優しく包み込むように握ります。
右手は元気よく前後に振りますが、左手は、太腿の外側、ちょうどズボンの縫い目付近の位置にあるのが理想的です。アイメイトの前足よりも少し後ろにユーザーの足があるような感じです。
握ったハンドルよりも足が前に出てしまうと、犬の動きの邪魔をしてしまいますし、犬が停止した位置よりも前に出てしまうことになり、階段や他の段差などでつまずいたり落ちてしまう危険性もあります。
逆にハンドルよりも後ろに位置すれば、犬が止まった時、段差などを素早く確認することができず、スムーズな歩行に繋がりません。
また、ハンドルとユーザーの左足の間隔が開いてしまえば、それだけ体が外側に出てしまうことになり、アイメイトに余計な幅の計算をさせる結果になります。もちろん、この状態では犬の動きもわかりにくくなってしまいます。
なんか小難しくなってしまいましたが、結局、人と犬が瞬間接着剤でぴったりくっついたような状態がグッドな歩行スタイルということを理解していただければと思います。
アイメイト歩行をしない方々にとっては、人と犬がいつもくっついて歩くことの意味をご存じない場合がほとんどです。そりゃ、そうですよ。私だって訓練に入るまでまったくそのような知識を持ち合わせていなかったのだから当然です。
その理由をちゃんと説明すれば、なるほどと皆さん感心してくれますし、このような基本的なことを紹介している記事が以外に少ないことに気付かされます。
皆さんが、これを読んでいてつまらないなあと感じてしまうことがちょっと心配ですが、安全に歩くためには重要な事柄なので、あえて書かせていただきました。
実際、私がこの基本を守っていたことで命拾いしたこともあります。ちょっとだけ教えちゃいますね。
ある日、電車に乗るために駅のホーム上に立ちました。
私は、トリトンに黄色い線(点字ブロック)を探せと指示を出しました。彼は動き始め、少し歩いたところで立ち止まりました。
私は左足に重心をかけ、右足を前後に滑らせ黄色い線を確認しようとしました。
『あれっ?!前に何もない!』
そうなんです、私達はホームのギリギリ端っこに立っていたんです。
もしも、私がトリトンよりも少しでも前に出ていたら、きっと足を踏み外し線路上に転落していたことでしょう。
ハンドルや引き綱を咄嗟にはなすことができなかったら、トリトンまでみちづれにしていたかもしれません。
アイメイト協会の厳しい教えが私達を救ってくれたと言っても過言ではありません。
「もっと姿勢をよくして!もっと犬について!腕を大きく振って!下を見ないで前を向いて格好良く歩きましょう!」
訓練中、いつも担当の歩行指導員から言われていた言葉、今も鮮明に覚えています。
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2010年11月28日

ゴー!

前々回の”ステイ”までが基礎訓練であり、日常生活の中でも頻用され、リード(引き綱)のみの操作で行なうものでした。
さて、今回からは、トリトンの体に装着したハーネスのハンドルを握って皆さんと一緒に外を歩いてみることにしましょう。
初冬の午後の一時、柔らかな日差しが私とトリトンを温かく包んでくれています。
我が家の玄関を出ると目の前には片側一車線の県道が左右に走っています。
比較的新しい道なので、歩道も広く、安全に歩くことができます。
日々歩いているうちに段差の違いも足で確認できるようになり、この歩道の段差がどの辺なのかを把握できるようになりました。
私の住む街は、歩道と車道の区別がない道が多いため、トリトンと歩いていても常に緊張感をもって前後左右に注意を払いながら歩く必要があります。
アイメイト歩行は、あくまでも人が犬をコントロールして安全に目的地を目指すものであり、トリトンが、障害物をよけてくれるからといって、犬に任せっぱなしにしてはいけません。
今、自分がどの辺を歩いているのか、あとどれくらいで曲がり角があるのかなどを気にしながら、的確にトリトンに次の指示を出す準備をする必要があります。
ところが…、ところがです。それができなくなってしまうことが間々あります。つまり、道に迷ってしまうことが。
今もそうですが、トリトンを迎え入れた当初は、そんなことが日常茶飯事でした。
そんな時、先程の我が家の前を走る県道、これが最高の目印となり、滅茶苦茶役に立ってくれるんです。
迷ったあげく、やっとのことでこの道を見つけた時は懐かしい故郷にでも帰ってきたような、重い荷物を肩からおろしたようなホッとした気持ちになれるのです。
またもや前置きが長くなりました。
玄関を出たところからでしたね。すいません。
トリトンと私は車道を向いています。駅に行きたいので左側に進むことにします。
ハーネスのハンドルに手をかけ、掌の奥で軽く握り、さあ出発です!
「ゴー レフト!」
このように、歩く動作を開始する時の指示語として”ゴー”を使います。
歩き出したトリトンの動きは、ハーネスのハンドルを通して私の左手に力強く伝えられます。
この感触を言葉で表すのはとても難しく、毎日感じているはずなのに、だけど、いつも新鮮で、二人だけの無言の会話の始まりを想起させてくれる、何ともうきうきした感覚は、アイメイト歩行をやみつきにさせてしまう魔法のような不思議な魅力を秘めています。
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2010年11月27日

スコーピオ

toriton 34.JPGtoriton 35.JPGtoriton 36.JPGお待たせしました。爪切りの記事に登場してくれたアイメイト、○○、ユーザーの許諾を受け、いよいよ”トリトンと歩む道”に初お目見えです!
名前はスコーピオ、2007年5月21日生まれのイエローのラブラドールレトリバー、とても元気いっぱい、肉球の非常に大きな男の子です。
トリトンよりも1年2ヶ月ほどあとに産まれ、昨年6月アイメイトになり、無事、ご主人と一緒に我が町にやってまいりました。
ご主人のお名前は、Tさん。これからも、このブログに度々出演していただくことにしましょう!
私の家からは4ブロックしか離れておらず、歩いても5分とかからないほどの距離です。
それまで近所に同じ全盲の視覚障害者が住んでいることすら知らなかった私ですから、治療室に来てくれるお客さんから盲導犬と歩いている人がいることをはじめて聞いた時は正直驚きました。
どのようにすれば連絡がとれるだろうか?早く会ってみたいなと願っていましたが、幸運にもその日は突然訪れました。なんと、話を聞いた翌日の朝のことです。
いつものように朝の散歩に出ていた私。自宅近くの信号のある横断歩道を渡りきった時、前から聞き慣れた言葉を発する人の声がするではありませんか。
それはまさにアイメイト協会で学んだ犬への命令コマンドに他なりません。
私は迷わずその人に声をかけていました。でも、ちょっといたずら心を忍ばせて。
私:「おはようございます!」
Tさん:「おはようございます!」
私:「盲導犬ですか?」
Tさん:「そうなんです」
私:「へぇ、そうですか。これからどちらに行かれるんですか?」
Tさん:「セブンイレブンに行きたいんですけど、この道でいいんですよね」
私:「この道で行けますよ。もし、よかったら一緒に行きましょうか?」
Tさん:「ありがとうございます。助かります」
私:「いえいえ、実は、私も盲導犬を連れてるんですよ(笑)」
Tさん:「えぇぇぇぇー!」
これが、Tさんとの初めての会話でした。
そのあと、一緒にセブンイレブンに行き、Tさんの買い物に付き合いました。
私の家が近かったので寄って行くことを勧め、お互いの情報を交換しそれからは散歩の途中で遭遇したり、予め約束し私が覚えた道を偉そうに案内したりといった具合にお付き合いさせていただいています。
ただ、実に残念なことに、ユーザーのTさんは、若い女性ではなく、おじさんです(笑)
今後ともドスコイノブ&トリトン同様、Tさん&スコーピオも末永くよろしくお付き合願いま〜す!
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2010年11月26日

ステイ 後編

その部屋では病院職員が常時数名仕事をしており、静かに待つトリトンの姿をいつも温かく見守り、面会から戻る私達に、
「とってもおとなしく待っていましたよ!偉いですね」と様子を教えてくれたものです。
ある日、その部屋で、私のメールを受け取った職員と偶然会う機会があり、あらためて盲導犬の病棟内受入れのお願いをすることができました。
その結果、前向きに考えさせてもらうという嬉しい言葉をいただき、晴れ晴れした心で家路についたものです。
日を追うごとに、トリトンの姿は病院職員の心を少しずつ動かし、初めに会った時とは徐々に彼を見る目が違ってきていることを実感していました。
それとは逆に母の様態は急変し、手術後に現われるかもしれないと言われていた重い合併症に襲われ、入院からわずか2週間という短い間に旅立ってしまったのです。
結局、入院中、母にトリトンを会わせてあげたいという願いは叶えられず、トリトンに生きている母を見せてあげることもできませんでした。
しかし、母の死亡退院という悲しみの中にありながら、懸命な治療に当たってくださった医師、温かく見守ってくださった職員の皆さんに対し大きな感謝の気持ちをいだいたことも事実です。
それから約5ヶ月後のある日、病院から1通の嬉しいメールをもらいました。
そうです、トリトンが大仕事をやってくれたのです。
なんと、すべての病棟内において、盲導犬はもとより、身体障害者補助犬の受け入れ体制が整ったというではありませんか。
母は天国という遠いところに行ってしまいましたが、トリトンと共に組織を動かす大きなプレゼンとを残してくれたのです。
以下に、病院からいただいたメールを全文掲載します。但し、個人名は省かせていただき○○と表記します。
志賀さま
狭山病院ホームページ管理者の○○と申します。
本日より狭山総合クリニック、狭山腎クリニックとも補助犬同伴でお越しいただける体制が整いました。
準備に大変時間がかかってしまいましたが、志賀さまのご投稿をきっかけに院内で本格的に検討を重ね、本日を迎えました。
まだまだ院内職員、来院患者への補助犬に対する正しい理解は不十分ではありますが、啓蒙活動を続け、障害をお持ちの方にも安心してお越しいただけるような体制を整えてまいりたいと感じております。
この度はご意見ありがとうございました。
医療法人財団石心会 狭山病院
管理室 情報管理課 ○○○○
〒 350-××××     埼玉県狭山市鵜ノ木 ×-××
TEL 04-2953-××××(管理室直通)
FAX 04-2953-××××(管理室直通)
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2010年11月25日

ステイ 前編

本日は「ステイ」です。
アイメイトのお仕事、どれを取っても大変役に立つことばかりなのですが、この「ステイ」も、かなり地味ですがすご技の一つです。
「ウェイト」のロングバージョン的な感覚ですが、最大の相違点は、ユーザーがアイメイトのそばからしばらくの間姿を消してしまうことです。
簡単に言えば、ユーザーが戻るまでその場で待てということになり、私の場合、どうしても一緒に入れない場所などでトリトンを待たせる時に利用しています。
アイメイトにとっては、主人の姿が見えないため、とても心細く淋しい状況であり、しかし、その場を動かずに主人の帰りを待たなくてはならないという、実に難易度の高い技と言えるでしょう。
でも、これが上手にできれば、周囲の人々のアイメイトや盲導犬に対する理解は更に深まり、今以上に活躍の場が増大することは想像に難くありません。
トリトンは、この「ステイ」で、ある場所の人々の気持を動かし、結果、見事な仕事を果たしてくれたのです。
昨年の3月に私の奥さんの母親がくも膜下出血で倒れました。
この辺では最も頼りになる総合病院に緊急入院し、手術を受けることになりました。
翌日、約7時間にわたる長時間の大手術が無事に終了し、集中治療室で様態を見守ることになったのです。
盲導犬同伴での面会を予め病院側に求めましたが、残念ながら入院病棟はもとより外来患者が利用する一般病棟への出入りも拒否されました。
説得の末、病院が用意した部屋でトリトンを待たせることでやむを得ず同意し、約2週間にわたり毎日のように面会に行くことになりました。
同居していた母は、普段からトリトンを可愛がり、トリトンも、そんな母を慕っていましたので、是非、直接会わせてあげたいという気持ちがありましたが、病室の枕元にトリトンの写真を置いてあげることしかできませんでした。
一方、母が入院中、私は病院側に宛てて盲導犬受入をお願いするメールも打ちました。
毎日のように一人おとなしく敷物の上で伏せて待っているトリトン、面会から戻る私達を見つけると、それはそれは嬉しそうにしていました。
                              つづく
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2010年11月24日

フェッチ

次は”フェッチ”です。ちょっと聞き慣れない言葉ですね。
「落ちているものを拾え」の指示語になります。
このように記すと、何を偉そうにと思われてしまいそうですが、そうなんです、偉そうに言った方が、結局のところ、ちゃんと仕事をしてくれるのです。
これを犬に教え込む訓練は結構大変だということを訓練中、担当指導員の方から教わりましたが、覚えてしまったアイメイトは段々遊び感覚で拾うようになります。
そのようなことのないよう、ユーザーは、普段の基礎訓練の中で、きちんと仕付ける必要があります。
しかし、これ、かなり日常生活では役に立っているんですよ。
駅の自動券売機で買った切符を落としたり、私などは元々そそっかしいものですから他にも色々と手から滑らせて落とすことがあります。
そんな時、地面にしゃがみ込んで、「えーと、どこかなあ」と手探りで探す必要はありません。
「フェッチ!」と一声かければ、すかさずトリトン様が猛スピードで私が落としたものをきっちり咥えて拾います。
「カム」で私の左横に座らせます。「カム グッド」で賞めてあげます。
トリトンの口に手をやり、拾ってくれたものを確認し
「フェッチ グーッド!」で大きく賞めてあげます、感謝の気持をこめて。
「アウト」で咥えていたものを頂戴し、「アウト」グーッド」で放したことを賞めてあげるのです。
訓練中、電車乗降の練習があり、改札を抜けようとポケットから出した切符を落としてしまったことがあります。
慣れていない私は、無意識のうちにその場にしゃがみ込み、自分で探そうとしていました。
その時、
「犬に拾わせてください!」と指導員の声が飛びました。
『そうか、そうだった、何をやってんだ俺は…』
ハーネスのハンドルから手を離し「フェッチ!」と声を飛ばしました。
待ってましたとばかりにトリトンは、ちゃーんと切符を咥えて私の横に戻ります。
ちょっとよだれで濡れていましたが、確かにそれはありました。すごく嬉しかったことを覚えています。
周囲がざわつく気配を感じたその刹那
「すごい!」という歓声が沸きました。
同時に私もアイメイトの素晴らしさを改めて実感し、誇らしい気持で満たされていました。
せっかくトリトンが拾ってくれた大切な切符、自動改札の投入口に飲み込まれてしまうのが少し残念でしたが、
「ここだよ「と、切符投入口も鼻先で教えてくれるトリトン、
私は、ありがとうの気持を乗せて投入口に切符を滑らせていました。
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2010年11月23日

カム

toriton 29.JPG今回は”カム”「おいで」について少しお話しさせていただきます。
ちょっと説明しづらいところもあり、意味わかんなぁい!と言われてしまいそうですが、がんばってみることにします。
これもリード(引き綱)のみの操作で、ハーネスのハンドルを握っている際には使用しません。
「愛犬と毎日散歩するんだけど、犬が引っ張っちゃって大変」
という方のお話しを聞くことがよくあります。
これは、愛犬に好きなように歩かせていることが原因しており、楽しいはずの散歩も苦痛に感じるようになってしまう恐れがあります。
このような引っ張りは、訓練によって改善することが可能です。
主人の左側に並び、しかも、リードを引っ張ることなく、たるんだ状態で楽しく快適に歩くことができるようになります。
主人が歩くスピードを速めれば、犬もそれに合わせますし、その逆も同様です。
いわゆる脚足(きゃくそく)行進というもので、もう一段階レベルアップさせ、主人が立ち止まれば犬も停止し座る脚足停座(きゃくそくていざ)まで仕付けることができれば完璧ですね。
そうすれば、実にお行儀の良い犬として犬仲間から一目置かれる存在になり、近所の人気者になること間違い無しです。
カムは、このような脚足行進、脚足停座のことでもあり、アイメイト歩行では、ユーザーの左側につかせるための指示語として頻繁に用います。
「カム グッド」
”爪切り”の記事にも記しましたが、アイメイト歩行では、犬は左側、人が右側という位置関係が原則であり、この”カム”を即座にさせることによって、滑らかに次の動作に移ることができるのです。
協会での訓練中、脚足行進を初めて経験し、正直私は驚きました。
どんなスピードに対しても私と同じ速さでついてくれるトリトンをとても愛おしく感じたものです。
自然に笑顔がもれて、「カム カム グーッド!」と、気持をこめて賞めることができたことを覚えています。
今回の”カム”を皆さんが理解していただけたかどうか少し不安ですが、「犬って本当にすごいなあ」ということをこの記事を書きながら改めて実感している私です。
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2010年11月22日

ウェイト

toriton 28.JPG次に”ウェイト”です。「待て」という意味になります。
”スィット”から”ウェイト”、”ダウン”から”ウェイト”、待たせる時間の長短によって使い分けています。
これは、かなり頻繁に用いる指示で、特にアイメイトは外出することが多くなり、前回にも述べたように電車、バス、タクシー、レストラン等々、足下に伏せて待ってもらう機会にとても役立ちます。
おとなしく待っていたなら「ウェイト グッド」で賞めてあげます。
犬は一連の動作を覚えるのではなく、一つ一つの動作の組み合わせにより行動しています。少しわかりづらいかもしれませんね。
例えば、電車に乗って椅子に腰掛けるまでを想定してみることにしましょう。
1.「ゴー コーナー」ホーム上の黄色い線を探してもらいます。
2.「コーナー グッド」黄色い線のところで止まったことを賞めてあげます。
3.「ゴー ライトドア」電車が入線し停車したので右のドアを探すように指示を出します。なぜ右のドアなのかは後日紹介させていただきます。
4.「ドア グッド」開いたドアの手前で止まりました。ユーザーは右足を前後に滑らせ乗車口を確認します。確認できたら賞めてあげます。
5.「ゴー」車内に乗り込むよう指示します。
6.「ゴー グッド」乗り込んだことを賞めてあげます。
7.「ゴー チェアー」空いている席を探すよう指示します。
8.「チェアー グッド」無事、空席を見つけて空いている席に顎を乗せたアイメイトを賞めてあげます。
9.「はいって」椅子に腰を下ろしたユーザーの足の内側に入り伏せるように指示を出します。
10.「はいって グッド」上手に足下に収まってくれたアイメイトを賞めてあげます。
11.「ウェイト」目的の駅が近づくまで待ってもらいます。
どうですか?
たったこれだけの動作をするために、ユーザーとアイメイトの間にたくさんの会話が
交わされていることに少し驚かれたのではないでしょうか。
このような二人の共同作業を繰り返すことで、少しずつ目的に向かって進んでいくことがアイメイト歩行なのです。
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2010年11月21日

ダウン

toriton 27.JPG本日は”ダウン”いわゆる「伏せ」の姿勢です。
これも”スィット”同様、一般の家庭で飼われているワンちゃんも得意な姿勢ですね。
基礎訓練では”スィット”から”ダウン”、その逆に、”ダウン”から”スィット”の姿勢をさせることが多く、指示に素早く反応せず、面倒くさそうに「仕方ないな、やってやるかぁ」みたいな態度や行動をすれば即座に叱りやり直しさせます。
上手にできた時は
「ダウン、グッド」で賞めてあげます。
この叱り方、賞め方もかなり難しいもので、気持がこもっていなければ犬にも伝わらないようです。
協会で訓練を始めたばかりの時は、これら様々な英単語を大きな声で発すること事態に違和感があり、気持をこめて賞めたり叱ったりすることなど到底できることではありませんでした。
もちろん、覚えることもたくさんあって大変でしたが、この”賞める”こと”叱る”ことが私にとっては最も大きな課題だったように思います。
トリトンを我が家に迎え入れることで、様々な場所を歩き回れるようになりましたが、それと同じくらい道に迷うことも増えていきました。
二人で、ああでもない、こうでもないと試行錯誤を繰り返しながら歩いて、やっとのこと自分達が求めていたところを発見した時、私は初めてトリトンを心の底から”賞める”ことができたように思いますし、同時に、二人の心が通い合った瞬間を実感したものです。
「ここだ!ここだよトリトン!よくやった!おまえはすごいぞおまえは偉いぞ!」!
トリトンを抱きしめ、荒々しく体を撫で回す私の喜びは即座に彼にも伝わり、同じように全身で嬉しさを表現してくれるのです。
そのようなことが度々重なったことで、やっと私も上手に”賞める”ことができるようになったのではと思いますが、協会歩行指導員のプロの目からはどう映るのでしょうか?
日常生活の中で”ダウン”は”スィット”よりも長い時間待たせる時にとらせる姿勢で、電車の中やレストランなどで椅子に座った際、足下で待ってもらう場合などにとても重宝しています。
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2010年11月20日

スィット

toriton 26.JPGアイメイトになるためには基礎訓練、誘導訓練、歩行指導員がアイマスクをしての仕上げとテスト、という大きく三つの流れに分けられると書きました。
その厳しい訓練で学んだすべてのことをアイメイトは日々繰り返し実行し、視覚障害者と安全に外出しています。
出かける前に基礎訓練をすることで、ユーザーに対する服従心を確認することができますし、これから仕事だということをアイメイトに認識させる、つまり、仕事モードに切り替えることができます。
具体的にはすぃっと、ダウン、ウェイト、カム、フェッチなどの動作の復習で、ちゃんと自分のいうことを素早く聞き、行動に移せるかを確認する作業です。
色々なバリエーションで試し、いつも同じような流れにならないように注意しながら行います。
アイメイトは非常に頭のいい犬ですから、同じパターンを繰り返せば、今度は何を言われるかを予測しユーザーの先回りをしたりすることがあるので、その日その日で基礎訓練に変化を与える必要があります。
基礎訓練を行う時は、ハーネスをつけてもつけなくてもかまいません。実際は、外出前に行うことが多いのでつけていることが多いかもしれません。
リードを長くした状態で行い、ハーネスのハンドルに手をかけることは絶対にありません。
ハーネスのハンドルを握るということは、あくまでも、アイメイトに誘導を促す手段であり、犬が発する信号を受け止め、その動きについていくための行為であり、基礎訓練とは目的がまったく違うという理由からです。
それでは基礎訓練に用いる動作を一つずつご紹介していきましょう。
まずは”スィット”です。
「すわれ」「おすわり」のことで、犬を飼っている方のほとんどは一番最初に教える仕付の一つですね。
「スィット!」の指示に即座に反応した場合は
スィット、グッド!」で賞めてあげます。
この体勢は日常アイメイトと外出する際によく用いる動作です。
エレベーターの中、少し込んでいる電車の中、切符を買ったり、会計を済ませる間のちょっとした時間に応用しています。
トリトンは、スィットの体勢はあまり得意ではありません。はじめはピッとかっこよく座りますが、前足が徐々に滑ってきて形がくずれて、終いには伏せの格好になることもあります。
でも、ご飯を食べる前は、あれっ、できるじゃないの、というくらい見違えるほど素晴らしいスィットを披露してくれます。
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2010年11月19日

命令コマンド

toriton 25.JPG今回からは、アイメイトに対する具体的な指示とお仕事について話を進めていきたいと思います。
尚、これらすべてはアイメイト協会での訓練を通して得たものであり、記事中、当時を振り返り、1人で懐かしがる場面も多々含まれ、皆さんにとっては非常に読みづらくなるかもしれませんが、その点も合わせてお許しください。
アイメイト協会での歩行指導がどれだけ緻密できめ細やかなものなのか、犬の能力を最大限に引き出すためのノウハウがたくさん詰まっていること、これらはまさに協会が永年にわたる経験と実績を積み重ねて培われた結晶であることを皆さんにも知っていただきたいと思うのです。
さて、まずは以前に記した約30の命令語を列挙してみることにします。
英単語以外にも短い日本語による指示語があり、これも合わせて掲載します。
ここでまたお願いがあります。すいません、頼み事ばかりしちゃって。
これをお読みになった方はアイメイトに対する指示語を知ることになります。当たり前ですね。こうやって私が書いているのですから。
もしも、アイメイトや盲導犬と歩いている視覚障害者に道案内や誘導をしてくださる場合、使用者と同じ指示語を使用することはなるべく避けていただきたいと思います。
犬は、主人の指示を聞いて行動に移しています。その際、他の人が同様の指示を出したり、または、違う指示を出してしまえば犬はどちらの言うことを聞けばよいのか一瞬迷ってしまい、判断と行動が遅れてしまいます。
手助けをしてあげたいという親切心から発した言葉が、結果として犬を叱る原因を作ることにもなりかねないのです。ご協力、よろしくお願いいたします。
では、いきます。
スィット(座れ)、ダウン(伏せ)、ウェイト(待て)、ステイ(その場で待て)、アップ(立て)、カム(おいで)、フェッチ(落ちたものを拾え)、アウト(拾ったものをはなせ)、グッド(よしよし)、ノー(だめじゃないか)、オーケー(動作を解いていいよ)、ゴー(進め)、ストップ(止まれ)、ストレート(真っ直ぐ進め)、ライト(右に曲がれ)、レフト(左に曲がれ)、バック(引き返せ)、ハップアップ(急げ)、イージー(速度を落とせ)、コーナー(段差や曲がり角を探せ)、ブリッジ(階段やエスカレーターを探せ)、ドア(ドアを探せ)、チェアー(空席を探せ)、ボタン(信号機の手押しボタン、エレベーターなどの押しボタンを探せ)、ワンツー(排泄してもいいよ)、ハウス(おうちに行きなさい)、ブラシ(ブラシ台を探せ)、のって(ブラシ台に前足を乗せて)、よって(左に寄って歩け)、はいって(足下に伏せて待て)、おりて(タクシーなどで後ろ向きのまま降りて)、きっぷ(駅など、で切符売り場を探せ)、かいさつ(自動改札の切符投入口を探せ)
1、2、3、・・・・・・31、32、33もありますね。
この他にも、使用者が普段の生活の中で役に立つような独自の指示語を教えています。
すごいですね。これだけのことを覚えて瞬時に行動に移せるなんて。私が犬だったら絶対にできないワン!

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2010年11月18日

歩行指導員 2

toriton 24.jpgアイメイト協会では犬に対してはっきりした態度で接しています。
”叱る”ことと”賞める”ことの区別をわかりやすく教え込み、「これをしたらいけないんだ」「これをしたら喜んでもらえるんだ」と犬が理解できるように訓練しています。
このような態度をとることで、その犬にとってのリーダー的存在が確立され、犬自身も落ち着いた生活を手にすることができるのだと思います。
実際、訓練当初、指導員から私にリーダーが変わったばかりの時、私がトリトンに対して命令してもほとんど言うことを聞いてくれなかったことを覚えています。
それまで犬という動物をまったく知らなかったに等しい私ですから、はじめの頃はかなり戸惑ったものです。
自分のような初心者に、犬との接し方、手入れ、健康管理、加えて最も重要な歩行指導をたったの4週間で習得させる指導員の技能と根気強さと情熱には心から頭の下がる思いです。
しかも、1クラス3〜4人の生徒を担当するのですから、並大抵の体力と精神力では務まらない激務と言えるでしょう。
指導員になるためには3年間の養成期間に引き続き、2年間のインターンとしての経験が必要で、その間に候補犬の訓練技術、視覚障害者に対する歩行指導技術を学ぶそうです。
自分の子供と変わらない年齢の若い男女が指導員を目指し、日々充実した生活を送る姿を目の当たりにし、年長者である私の方がハッとさせられたものです。
いつも明るく、私達にも一人の人間として優しく厳しく接してくれるアイメイト協会理事長をはじめとするスタッフの皆様方に対し、この場をお借りして深く感謝の意を表したいと思います。
今後も現在同様、立派なアイメイトを多く世に送り出し、視覚障害者の自立へのお手伝いをしていただければと心よりお願いいたします。
今、私達はとても上手に歩いています、と思います。
いつも左側にトリトンがいるのが当たり前となった今をとても幸せに感じています。
ありがとうございました!
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2010年11月17日

歩行指導員 1

toriton 23.jpgアイメイトは約30種類もの指示を自ら判断し、即座に行動に移せるよう訓練されています。
犬に対する指示はほとんどが英単語を用います。
訓練中、未来のユーザーが男性になるのか女性になるのか予めわかっていないということ、男女どちらでも違和感なく使用できるということ、周囲の人々が聞いてもきつい口調に感じないと言うことなどが英単語を用いる理由です。
それぞれについては、一つずつ後日紹介させていただくとして、今回は、アイメイトの訓練、視覚障害者に対する歩行指導を行う協会の歩行指導員について私が訓練中感じていたことを少しだけお話しさせていただきます。
一人の指導員が、なんと、6〜7頭ものアイメイト候補犬の訓練に当たるということです。
専門的なことは何も知らなかった犬に視覚障害者と安全に歩行できるまでに教え込むという技術にも驚かされますが、何よりも、その地道で根気強い姿勢がとても尊いもののように感じました。
しかも、犬だけを訓練すればいいということではなく、その後の視覚障害者への歩行指導という大きな仕事を手がけるのですから、ちょっと考えただけでも大変な職業だと思います。
私が訓練を受けていた時、アイメイト協会の指導員は6名でした。
我が国に九つの盲導犬育成施設がありますが、単純に計算しても50名を少し超える程度の極めて少ない誠に貴重なお仕事と言えるでしょう。
訓練中、もう一つ驚かされたことがあります。
犬に対してかなり厳しい訓練をする指導員ですが、なぜか犬達は指導員が大好きなんです。
指導員のあとをノーリードで何頭もの犬が脇目も振らずに一生懸命ついていく姿を何度も経験しました。
犬は、元々集団生活をしていた動物で、その群れには必ずリーダーの存在がありました。リーダーは集団をまとめ安全を第一に他の者を率いる素質を備えていました。
他の者は、リーダーが絶対的な存在であり、強い信頼感をもって安心して生活していたのです。
そんな犬の特性を最大限に引き上げ接しているのがアイメイト協会の歩行指導員であり、訓練法を編み出した協会創始者の塩屋賢一氏と言えるのではないでしょうか。
                              つづく
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2010年11月16日

訓練時代

このブログ、話があっちに飛んだりこっちに飛んだり、期間的に前後したり、自分でも実に読みにくいなあと反省しているのですが、これは私の悪い癖のようで治りそうにありません。皆様にはご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。
で、今回もまた飛びます。もしかして、私の前世は鳥だったのかも…
アイメイトが協会で学んできたこと、それは、私達視覚障害者が安全に外出するために必要となるたくさんの宝物です。
しばらくの間、二人がどのように歩いているのか、具体的に書かせていただこうと思います。長くなると思います。お付き合い願えれば幸いです。
繁殖奉仕、飼育奉仕、それぞれの家庭でたくさんの愛情を注がれた候補犬は情緒の安定した成犬となってアイメイト協会に帰ってきます。
さあ、これからアイメイトになるために数ヶ月間に及ぶ訓練がはじまります。
まずは、アイメイトとしての適正が備わっているかどうかを見極めるため、約1ヶ月間かけて性格を判断したり、聴力などを測定するということです。
それに合格した候補犬は、いよいよ協会の歩行指導員によって約4ヶ月間の厳しい訓練を迎えます。
訓練は大きく三つの段階に分れています。
一つめが基礎訓練といわれるもので、ユーザーに対する服従心、学ぶ心を養うもので、具体的には座れ、待て、来いなどの動作を指示通り素早くやらせるもので、いつでも使用者の言動や行動に対して注意を払わせるものです。
二つめは、誘導訓練といわれるもので、実際にハーネスをつけて視覚障害者と歩くことを前提にしたもので、具体的には、歩道上に置かれた看板や自転車などの障害物を回避する、段差や曲がり角で一時停止するなどの実践的な行動を身につけさせるものです。
そして三つめが歩行指導員自ら目隠しをして実際に歩く仕上げ、およびテストです。
加えて、最もアイメイトにとって難易度の高いといわれる”利口な不服従”を身につけなければなりません。
具体的には、ユーザーが「進め!」と指示を出しても犬自らが危険と感じれば指示に従わないというものです。
これらの訓練を乗り越えて将来のアイメイトとして必要な事柄を身につけたのち、いよいよ私達視覚障害者との歩行訓練の時を迎えるのです。
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上の写真は、アイメイト協会での訓練中に撮影されたもので現在、私が所持しているアイメイト使用者証に添付されているものです。
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2010年11月15日

日曜日の贈り物

なんか朝からみんなが落ち着きません。
トリトンへのブラシも、いつもより念入りに行いました。その後の掃除も時間をかけ丁寧に。
やることはもうないかな?うーん、よし、あとは待つだけ、準備完了!と一人で頷く私。
気がつけば、現在時刻を確認し、さっきからまだ2分しか経っていないことに苦笑し、椅子に座ってみたり、立ち上がってみたり。
いい年して、もっと落ち着けよと自分に言い聞かせる私。
そんな私の態度を見てなのか、トリトンもいつもと様子が違うことを感じとり、奥さんを加えて皆でそわそわ。
一体、何を書きたいの?という読者の皆さんの声が聞えてきそうです。
実は、昨日の日曜日、トリトンの飼育奉仕をしてくださったご家族の皆さんが我が家に遊びに来てくれたんです。
横浜で行われているAPECの影響による道路渋滞を考慮して、当初予定していた自家用車での来訪をとりやめ電車を乗り継いで遥々、ここ埼玉の田舎町の我が家を訪問してくださったのです。
約3時間弱という短い時間でしたが、とても素敵な日曜日の午後の一時を過ごすことができて、これを書いている今も未だ興奮冷めやらずの状態です。
トリトンの幼少期の話、アイメイト協会での訓練中に面会に行った時の話、ご家族の話、どれもが私の知らなかったことばかりで、そのすべてを受け入れることで、トリトンが今までよりも更に愛おしい存在として私の心と体に溶け込んでいくのを感じています。
ご家族が遊びに来てくださる日程が決まってからの約10日間、どんなことをお話ししようか、どんなことを聞こうか、色々考えてはみたものの、結局、何も決めないまま当日を迎えてしまいました。
そして、いざ実際にお会いしても、気の利いたこと一つ言えず、しかも、ちゃんとお礼すら言えなかった自分が情けなく、ただひたすら今は反省しています。
トリトンと生活している中でいつも感じていたこと、きっと、優しい家庭で育ち、たくさんの愛情を注がれていたことは容易に想像できましたが、実際にご家族にお会いし、想像は確信へと変化し、事実として受け入れることができました。
とにかく、とても明るいご家族で、トリトンとの再会をとても喜んでくれました。
非常に興味のあったこと、トリトンがご家族と再会を果たしたその瞬間、どのような態度をとり、どのような行動に出るかというものでしたが、思っていた以上に冷静な対応に少し驚きました。ただ、尻尾の動きは半端なものではありませんでした。
やはり、トリトンは、ちゃんと覚えていたんです。時間が経つにつれ、ご家族一人一人の懐かしい匂いを嗅ぎに行ったり来たりしていましたから。
私、個人的には、この日「ワン!」と吠えても叱るつもりはありませんでしたし、そんな声もちょっと聞いてみたかったなと思っていたほどなんです。
もしかして、本当は飛びかかって嬉しさを表したかったのかも?でも、傍に私がいることで、遠慮していたのかもしれませんね。
ご家族の皆様、私の少ない頭では他に言葉は見つかりません。
「本当に、ありがとうございました!」
そして、また一つ大切な贈り物を運んでくれたトリトン、おまえにも「ありがとう!」
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上の写真は、飼育奉仕をしてくださったご家族から昨日いただきました。
皆さんで海に遊びに行った際に撮影されたものです。
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2010年11月14日

トリトンの一日 最終回

お昼の散歩から帰ったら水を飲んでいただきます。
この水ですが、時間や回数の決まりはありません。ただ、食後1時間後くらいが喉が最も渇くようで、たくさん飲んでくれます。
トリトンの場合、朝食後の水の摂取量が最も多く、100〜150舐めくらいです。
夕方の6時、2回目の食事です。
100グラムのドライフード、それに引き続いてヨーグルト、またまたトリトンは、実においしそうに食べてくれます。
5時を過ぎた頃から、トリトンは私に何かを訴えるような接し方をしてきます。
「ねえねえ、そろそろじゃないの?忘れてないよね?」
犬が日本語で話せたとしたら、多分、こんな感じじゃないかと思うんですがどうなんでしょうね。
お楽しみの時間が終わったら”ワンツー”タイムです。
この時、午後に散歩をしていなければ”ツー”もさせるようにしています。
時と場合によりますが、普段は一日に””ワン”が4〜5回、”ツー”が3回くらいです。
夜の8時頃に歯磨きをしています。
軍手を両手にはめて人差し指や中指、親指を駆使して上野歯、下の歯、合わせて犬の場合は42本の永久歯を磨きます。
ユーザーによってはタオルを使ったりしているようですが、私はこの軍手が最も磨きやすいと感じています。
ちなみに歯磨き粉はつけません。
そうそう、この歯磨きの時間、トリトン特有のポーズがあるんですよ。
軍手を両手にはめた私の姿を見ると、必ず足下に近づいてきて、いきなりゴロンと仰向けに寝転ぶんです。
彼なりに準備を整えているようで、滅茶苦茶可愛いじゃありませんか。と私は思います。
続いて、この日最後の水を飲んでもらいます。
就寝時間は、いつも11時過ぎのことが多く、寝る前に最後の”ワンツー”タイムです。すっきりしたところで私達は2階の寝室に上がります。
私の仕事の入り具合によって多少の誤差はありますが、これがトリトンの大まかな一
日です。
暇な時は寝てばかりいるトリトン、もう寝られないんじゃないの?と思ってしまいますが、そんな私の心配をよそに朝まで気持ちよさそうに眠ってくれます。
明日も健康で楽しい一日になりますように!そして、いい夢を…
                            おやすみなさーい!
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2010年11月13日

トリトンの一日 7

前にも書きましたが、はっきり言って、いや、はっきり言わなくても私の店は暇です、神に誓って。こんなこと誓われても困るという神様の声が聞えてきそうですが…
でも、とりあえず仕事場に待機してお客さんからの電話を待っています。
奇特なお客さまからの予約の電話が入れば、私が仕事をしている間、トリトンは、すぐ傍に設けてあるハウスでおとなしく待っています。
仕事場にいる時はウロウロしない、毛が飛ばないようにブルブルと首を振ったりしないなどの決まり事を最初に教えましたから、トリトンは、ここがどのような場所なのかを知っているかのようです。
暇な時間はリビングに行って私の奥さんと遊んだり、寝たり、私と遊んだり、また寝たりしています。
お昼の12時頃、2回目の”ワンツー”をします。この時は”ワン”だけが多いですね。
私が寝坊しちゃってこの時間に散歩に出る時は”ツー”もしてもらいます。
アイメイトは、歩行中や電車の中など公共の場で排泄しないように、予め外出前に!ワンツー”をさせます。
もちろん、外出中でも、少し長くなりそうな場合は、ユーザーが時間を見計らって適当な場所を見つけてアイメイトに排泄を促します。
その場合、必ずハーネスは外します。仕事中でないことをアイメイトに分からせる意味合いもあり、逆に、ハーネスをしている時は勝手に排泄してはいけませんよということにも繋がってきます。
朝と昼では周囲の状況も少し異なりますから、いろんな時間帯に歩くことも大切です。
駅まで行くコースが4通り、川沿いが2通り、行きつけの動物病院までも2通りのコースがあり、その中でも少しバリエーションを変えて歩くことにしています。
いつも目的地が決まっていたり、同じところで曲がったりしていると、アイメイトも頭がいいですから、どうせこっちだろうとユーザーの指示を待たずに行動することがあります。
わざと違う方向を指示することで、ちゃんとユーザーの言うことを聞いているかどうかの判断材料にすることもあります。
このように書くと単に犬に意地悪をしているだけじゃないかと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、決してそのような意図はなく、ユーザーがしっかり犬をコントロールできることが、結果としてアイメイトの仕事を最小限に抑えているのです。
ユーザーが指示を出せなければ、アイメイトは自分で判断しなくてはなりません。結局は仕事を増やしてしまうことになるのです。
                              つづく
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2010年11月12日

トリトンの一日 6

toriton 17.JPGtoriton 18.JPGアイメイトの食事は、基本的に1日1回で、300グラムのドライフードに少し水を浸したものを与えます。
トリトンを家に迎え入れて1年ほどは私もそうしていましたが、明け方に胃液を履くことが数回あったので、行きつけの獣医さんに相談し、食事を2回に分けるように変更しました。
朝の200グラム、夜の100グラムで300グラムです。
腸の働きを良くし、”ツー”の状態が安定するようにプレーンのヨーグルトも少し与えています。
トリトンにとっては1日1回の楽しみが2回に増え、しかも、ヨーグルトもいただけるので、一日の時間の流れを彼なりに把握できるようです。
犬の腹時計というのは、驚くほど正確なんですよ。
ちょっと落ち着きがなくなってそわそわし始めた時に時計を見ると、まさにお楽しみの時間が接近しているんですから。
指示通りおとなしく伏せて待っていたトリトンを座らせます。
”OK”の言葉をかけるとおもむろに立ち上がりフードの入った入れ物に近づき、それからは休む間もなくひたすら食べることに専念します。
ほとんど咬んでいないのではと思うくらい猛スピードでたいらげてしまいます。
『おまえのご飯なんて誰も食べないんだから、もっとゆっくり味わえばいいのに』
と、いつも私は笑いをこらえています。
フードを食べ尽くしたあとも、いつまでも入れ物を舐め回し、あげくの果てには私の手や服まで舐めてくれます。きっとご飯の匂いのついているもの全てを舐め尽くさないと気が済まないとでも言っているかのように。
でも、いつもおいしそうに食べてくれるので、こちらまで嬉しくなってきちゃいます。
食事が済んだら大きなゲップをして、はい、ご馳走様です。
フードと一緒に空気も食べちゃうので、ゲップが出ちゃうんですね。このゲップがまたたまらなく可愛くて、未だに笑いがこみ上げてきます。
このように、起きてから食事が済むまで、二人はかなり多忙に過ごしているんです。
トリトンの食事の時間が終わったら、今度は私自身の身支度の時間です。
洗面を済ませ、朝食です。
食後はコーヒーで一息つくのが日課となっています。
その間トリトンはというと、私が座っている椅子の足下に伏せて食後の休憩です。
一日の始めはこのように慌ただしく過ぎていきますが、そういう時間の一齣に幸せを感じるのもこんな時です。
                              つづく
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2010年11月11日

トリトンの一日 5

アイメイト歩行を具体的にご説明するとかなり長くなりますので、一つ一つの動作については、後日ゆっくり紹介させていただくことにして、無事に散歩から戻ったところから話を進めていきます。
トリトンの足を拭いてから家に上がり、まずは水を飲んでいただきます。
季節や時間帯によって異なりますが、散歩帰りは大体30〜50舐めくらいでしょうか。
トリトンは非常に行儀が良くて、水の飲み方も上品です。ボールに入れた水をこぼすこともなく、舌の動きがとても静かでリズミカルです。
喉の渇きを癒したのちはブラッシングの時間です。
廊下に出てブラシ台をセットします。これは、アイメイト協会での訓練中からの流れで、20pくらいの高さの台の上に前足だけ乗ってもらいます。
この体勢のままで約45分ほどかけてトリトンに更に磨きをかけるわけです。
ユーザーによってブラッシングにかける時間も道具もある程度の違いはありますが、いつも暇な私には時間だけはたっぷりあるので、自分の気が済むまでのんびりやらせてもらいます。
使用するブラシは、ゴムブラシ、毛ブラシ、無駄なアンダーコートを除去するファーミネーターの3種類です。
そのあとは、お湯で絞ったタオルで全身を拭いてあげます。
仕上げは、再度毛ブラシを使って毛並みを綺麗に揃えておしまいです。
換毛期といわれる生え替わりの時期が1年に2回訪れますが、その抜け毛の量といったらかなりのものです。
よくもまあこんなに抜けてはげないなあと感心しますし、抜け毛に困っている人間様にお分けしたいと思うほどですよ。
次は、ブラッシング後の掃除です。
抜けた毛を掌で一カ所に集めると、トリトンの毛の山ができます。それを丸めてゴミ箱に捨て、続いて掃除機をかけて終わりです。
このほかにも1ヶ月に1度のシャンプー、2週間に1度のペースでドライシャンプーをします。
午前8時、さあ、トリトンが待ちこがれていた食事の時間がやってまいりました。
                              つづく
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