2010年11月30日

コーナー 前編

玄関を出て左にスタートしたところから話が動いていませんね。
はいはい、大丈夫です、私とトリトンも動いていませんから。今回は少しだけ移動してみることにしましょう。
県道を走る車の音を右に聞きながら歩き出します。
1分ほどでトリトンがスピードを緩めて止まります。私もその動きに合わせて停止し、右足を前後に滑らせます。靴を通して段差を感じました。歩道と車道の境目です。
この段差や曲がり角を”コーナー”と呼んでいます。
そのコーナーを右足でトントンと軽く叩き、
「コーナー グッド」で段差でちゃんと停止したことを賞めてあげます。
左から車が来ていないかどうかを耳で確認し、向こう側の歩道に上がるために前方に進みます。
真っ直ぐわたりたいので
「ストレート」と指示を出します。
その指示通りに歩き出したトリトンに
「ストレート グッド」で賞めてあげます。
3メートルほど歩いたところで再びトリトンが停止します。
歩道上に上がるための段差がありました。
「コーナー グッド」で賞めます。
「ゴー」で前進させます。前進を始めたトリトンに対し
「ゴー グッド」で賞めます。
このように、段差や曲がり角では必ずアイメイトは一時停止して次の指示を待つことになります。
それ以外にも電車のホーム上に敷かれた黄色い線(点字ブロック)なども”コーナー”と呼んでいます。
いくつものコーナーをクリアしながら目的地に少しずつ近づいていくことになり、トリトンと歩き始めてから2年半、一体どれだけのコーナーを二人で踏みしめたことでしょうか。
失敗を繰り返した結果、やっとのこと二人で見つけた思い出に残る”コーナー”も数え切れないほどで、今でもその”コーナー”を足で確認する度にその時のことを鮮明に思い出すことができます。
一般的には右足で!コーナー”を叩いて賞めてあげますが、本当に嬉しい時、私は思わずしゃがみ込み、足ではなく手のひらで”コーナー”を何度も何度も叩いてトリトンを賞めていました。
慣れた道では右足がその”コーナー”の感覚を記憶し、現在自分がどの当りにいるのかを確実に把握できるようになってきます。
アイメイト歩行にとっての”コーナー”は限りない新たな挑戦への大切な道しるべなのです。
                              つづく
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posted by ドスコイノブ at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | トリトンとの日々