2011年04月19日

訓練日誌 1日目 2

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おはようございます!
早速ですが、前回の続きになります。
その前に、このブログでは今回初めて耳にする“チョーク”という言葉について予めご説明させていただきます。
この“チョーク”、犬を叱る際の動作になります。
指示に即座に従わない場合、段差や曲がり角で一時停止しなかった時、障害物にぶつかってしまった時、歩行中よそ見をしたり周囲の匂いをかいだりした際に「ノー!」の言葉と同時に行ないます。
チェーンカラーに取り付けられたリードを一瞬後ろに強く引くことにより、犬の首に刺激を与え、「いけない」「だめじゃないか」の気持ちを「ノー」の言葉と共に伝えます。
将来的には「ノー」の言葉のみで反応させることが望ましく、現在では、トリトンに対し“チョーク”を行なうことはほとんどありません。
ここで皆さんに一つだけお願いがあります。“チョーク”は周囲から観れば犬の首を締めている、いじめているように思われるかもしれませんが、それは単なる誤解、決してそのような意図をもって行なっているわけではないことをご理解ください。
私達はアイメイトを叱ることは確かにあります。でも、それは、無限に秘めている犬の能力を最大限に引き出す目的で行なうものであり、やり直しをさせた結果、指示通り上手にできた時には叱ったとき以上にたくさん賞めてあげることを常としています。
もちろん、考え方は様々で、“チョーク”を行なわない盲導犬協会も話しには聞いています。
色々な意見や批判があって当たり前、しかし、私はトリトンと生活していく中で、誰からも後ろ指を指されない立派なアイメイトであると自信をもってお見せできますし、それは、“叱る”ことと“賞める”ことを繰り返しながら成長した結果であると確信しています。
では、続きをどうぞ!
入校式を終え、後ろからのSさんの方向指示でいったん居室に戻り次の指示を待つことになりました。それに伴い、私の奥さんも埼玉県の自宅へと帰っていきました。
少し部屋で休んでいると、Sさんから声がかかり、食堂に案内されました。
階段を背にして左側と右側に1人用の居室が並び、直進した左側に食堂、その向かい側に2人用の居室が二つという位置関係になります。
食堂に落ち着くと、これからの毎日の大ざっぱなスケジュール、それに続いて、チェーンカラー(金属製の首輪)、リード(引き綱)の使い方の説明を受けました。
次に、チョークのやり方の練習です。
左手でリードを握り、手背(手の甲)を前にした状態で腕を伸ばし脇を締め、体側につけます。
その状態で少し手を前に出すことでリードをたるんだ状態にし、瞬時に真後ろに引きます。かなり後ろの方まで引くことが重要で、上手にできた時の音がムチを打ったようにパシッと聞えれば成功とのことです。
「ノー」の言葉と一緒に行ないますが、いずれは「ノー」の言葉のみで正しい行動をするようになるのが理想的とのことです。
さあ、12時からは昼食の時間です。
当時の日記では、毎食のメニューも記載されていますが、このブログでは割愛させていただきます。
1日3回の食事、訓練生と担当指導員、他にも協会スタッフが集い、様々な会話を交わしながら、おいしい一時を過ごすことになります。
配膳や後片付けなどはすべて協会スタッフが手際よく行なってくれますが、これは、私達訓練生が犬との生活に集中できるようにという配慮からのものです。
「いただきます!」の前に各自のランチョンマットの上に並べられたものを時計の文字盤に例えて方向を示し、どこに何が置いてあるのかを指導員が説明してくれます。
例えばこんな感じです。
7時にご飯、5時に味噌汁、3時にハンバーグ、9時にポテトサラダ、12時に漬け物。
予めどの辺に何があるかを知っていれば、その方向に手を伸ばせば目的の食べ物にありつけることになります。
私達訓練生、協会スタッフの食事を毎日作ってくださるMさんという女性が働いています。
いつも豊富なバリエーションで食卓を楽しい一時へといざない、しかも、私が肉嫌いなこと、でも、ひき肉は食べられるという贅沢なわがままに対して、特別にメニューを変えて作ってくださったMさんには今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
家にいる頃は、仕事の関係で時間が合わず1人で食事をすることが多かった私、そんな食事への戸惑いを日記で次のように記しています。
【普段、会話をしながら食事をすることも少なく、かなり戸惑う部分もあり、慣れるまでは大変だろう。落っことしたものも平気で口にできないし、食い方にも気を使う。】
昼食後、居室に戻り、先ほど習ったリードの扱い方などを復習し次の指示を待っていました。
しばらくすると、Sさんから声がかかり協会の外に出ました。
犬につけるハーネスをSさんが持ち、そのハンドル部分を持って路上を歩く練習です。
ここからは日記をそのまま掲載します。
【ハーネスのハンドルは、腕を伸ばし、体側につけ、先ほどのチョークの時と同じように手背を前に向けてリードと共に軽く持つ。
丁度ズボンの縫い目に当たる部分に手が来るようにして、前や後ろに行ったり、体側から離したりしてはいけない。犬が障害物をよける時に微かに変わる角度に自分も合わせることが大切とのこと。
歩き出す前は、自分の右足を半歩先に出し、「ゴー」の合図で動き出す。
段差の始まりでちゃんと止まった時は賞めて次に進む方向を示す。
前方に渡る場合は「ストレート」、渡りきったところで犬は止まるので、またここで賞め「ゴー」の合図で動き出す。
ハンドルを握る力が強すぎるという注意を受け、ほんの軽く握るよう心がけた
姿勢に関してはなかなかよいとのこと。
賞める時は、犬の方角を向いてもいいが、方向指示をする時などはわざわざ犬の方を見なくてもよいとのことだ。
また、視符は慣れるまで行った方がよいとのことで、前、左右、後など、オーバーな動作はいらないが、こまめにやらなければならない。
段差で止まった時、障害物をよけているだろう時、指示通りの方向に曲がった時など、その場その場で賞めてあげなければならないということだが、これがなかなか難しい。
こちらは歩くことに夢中で、止まって当たり前、そのように考えてしまうところが恐ろしい。人間ではなく、犬がそうしてくれることに感謝の気持をこめて賞めることが重要だ。
まだ犬とすら歩いていないのに、結構、頭の中はこんがらがって来ている。
明日の午後から犬と歩く練習をするということなので、犬に負担をかけぬように自分がしっかりやらなければならない。】
                              つづく
posted by ドスコイノブ at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | トリトンとの日々