2011年01月22日

車道回避 4

今回の”車道回避”、まだ終わりませんね。
「もう飽きちゃったよ」
という声が世界中から聞えてきそうですが、そんな言葉に私は負けていられません。
アイメイト歩行がどれだけ計算し尽くされた緻密なものなのか、視覚障害者とアイメイトが安全に歩くということがどのようなことなのかを理解してもらうためならば、例え火の中、水の中に放り出されようが毅然とした態度で立ち向かうのがアイメイトユーザーとしての誇り…
あららら、かなり大げさになってしまいました。ごめんなさい。
えーと、どこから書けばいいのでしょうか?そうそう、行きは良い良い、帰りは大変というところでしたね。
車道を左に見ながら歩道上の障害物を回避する、でも、これがアイメイト歩行にとって実に難しいお仕事だというところまでが前回の記事でした。
私達の目の前にワゴン車があります。この時点で車道は左側に位置しています。さあ、私がトリトンに出した最初の指示はなんでしょうか?
「ゴー レフトコーナー」
そうです、車道に下りるための指示になりますね。トリトンが左に角度を変えて段差で停止しました。
「コーナー グッド」で彼を賞め、私は車道を走る車の流れに全神経を集中させます。
私達が進む右側からの車の流れが途切れたようです。
「ゴー ライト」
段差を下りた私達は右に進路を変え歩き出しました。
「ライト グッド」でトリトンを賞めたあと、すかさず
「ライトコーナー! ライトコーナー!」
右の段差を探すよう、少ししつこいくらい、そして強い口調で指示を出します。
なぜでしょうか?どうして、そんなに繰り返し同じ指示を出すのでしょうか?しかも強い言い方で?
現在の状況は以下の通りです。
車道の右に位置する歩道、その歩道上いっぱいに障害物があるために、一時的に車道に下りて右に進む私とトリトン、実はこの時点で二人は右側通行をしていることになります。しかも車道を。
以前の記事でもお話ししましたが、アイメイト歩行の原則は左側通行、これは、道路交通法で許可されているというものでした。
アイメイトは左に寄って歩くことを常とし、右にずれ込んでしまった場合は
「よって」の指示で修正しています。
しかし、現在はほんの数メートルとは言え車道の右側を歩いており、強い声符と視符で右を指示しなければ、真面目なアイメイトのことです、左に寄らなければと車道を横断するように歩いてしまう恐れがあります。それを阻止するために右の段差を強調して指示を出す必要があるのです。
段差を下りて右に進み、ワゴン車をやり過ごしたのち再び右の歩道に上がる単純な行程、晴眼者の方にとっては朝飯前、昼飯後のお茶の時間と言った簡単なものでしょうが、耳と空気の流れ、そしてアイメイトの力を借りながら歩く私達全盲の視覚障害者にしてみれば、大切なディナーを目前にしたような緊張感を感じていることをご承知いただければと思います。
数メートルを歩いた後、無事にトリトンが右の段差で停止してくれました。
「コーナー グーッド グッド!」
大きく彼を賞め、
「ゴー」で歩道上に上がります。
私は、その場にしゃがみ込み、トリトンを何度も褒め称え、最大限の喜びを表します。
「さあ、おうちに帰ろう!」
残り90メートルの直線をあっという間に歩き去るドスコイノブ&トリトンです。
「ママー!ただいまー、買ってきたよ!」
こうしてドスコイノブの”はじめてのおつかい”は静かに幕を下ろすのでした♪♪
これで”車道回避”は終わりです。おつかれ様でした!
そして、アイメイトの基本となるお仕事の紹介も本日で終わりです。
もう大丈夫、皆さん安心してください。
「なんのこと?」
万が一、百万が一、皆さんが見えなくなってしまったとしても、私のブログを初めから読んでくださっていたならば、アイメイトと歩くための正しい知識は蓄えられたことになります。あとは実践あるのみ!なんちゃって…
そんなことにならないよう、皆さん、日頃より目を労り大切にお使いくださいね。
posted by ドスコイノブ at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | トリトンとの日々
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